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鋼管柱・重防食塗装

鋼材の腐食対策

屋外設備は腐食しやすいことから、一般的には鋼材に溶融亜鉛メッキを施し一般地では30年以上の寿命があります。
しかし、強腐食地帯(塩害地、温泉地)では、一般地に比べ腐食速度が速いことから対策が望まれています。
弊社では、NTTにおいて10年以上の使用実績があり、強塩害環境における暴露試験でも防食性が認められる重防食塗装を用いた加工販売を行っています。
塩害により溶融亜鉛メッキでも錆が発生し満足されていない方や、溶剤塗装で変色や剥がれに悩んでいる皆様にご支援できます。例えば、信号柱、標識、照明ポール、鉄塔、架線金物等。

1.重防食塗装(熱可塑性ポリエステル樹脂粉体塗料)の開発経緯

NTTの鋼管柱は全体に溶融亜鉛メッキを施してあり、更に地際の防食対策として従前はタールエポキシ樹脂塗装を施していました。環境面から脱タール系や溶剤を使用しない環境にやさしい塗料として重防食塗装を開発し、2004年にNTTの鋼管柱の防食塗料として仕様化され、全国で使用されています。
この重防食塗装は溶融亜鉛メッキとの密着性が非常に良いことから、NTTでは塩害対策として鋼管柱の全面塗装以外に、屋外設備の金物、海水が溜まるマンホール内の金物等に適用しています。

2.重防食塗装の特徴

  • 溶融亜鉛メッキ面に直接塗装(加熱処理)ができ、塗膜が強固に付着することから、塩害地域等の過酷な屋外環境でも50年以上の優れた防食性能を発揮します。
  • 耐酸性に加え、従来の同種製品に比べて耐アルカリ性が向上しており、紫外線劣化(変色しにくい)を制御した熱可塑性の粉体塗料です。
  • 塗装方法は流動侵漬法、加熱静電塗装法に適用できることから、大型から小型構造物まで、厚膜塗装が可能です。(現場塗装不可)
  • 塗装が部分的に剥がれても、下地に亜鉛メッキがあれば、相乗効果(二重防食)により塗膜剥離が広がりません。強塩害環境(三宅島)における暴露試験において、写真でも判断できますように試験片を意図的に傷つけても錆が発生していません。

3.飽和ポリエステル樹脂紛体塗装塗膜(重防食塗装)の耐用年数

(1)飽和ポリエステル樹脂紛体塗装塗膜の塩害地での耐用年数

①試験片70×150×3.2t(ss材)をブラスト処理し粉体塗装(膜厚:約300μm)
②屋外暴露三宅島伊豆地域で16年間暴露
③耐用年数塗膜厚みを300μmとすれば、300μm/3.1μm=96.8年となり、安全係数を2とすれば、
約50年以上の耐用年数となる。

(2)亜鉛メッキと飽和ポリエステル塗膜との二重防食による耐用年数



①試験片70×150×3.2t(HDZ55:550gr/㎡,75μm)をブラスト処理し粉体塗装(膜厚:約300μm)
②前提条件
  1. 塩害の厳しい海岸付近での、亜鉛メッキ被膜の減少量(約5μm/年)からの耐用年数は、75μm/5μm/年=15年となる。
  2. 三宅島沿岸での飽和ポリエステル樹脂粉体塗装塗膜の屋外暴露16年からの耐用年数を50年とする
③耐用年数亜鉛めっきに飽和ポリエステル粉体塗装した場合の二重防食の耐用年数は
上記の経験式により重防食の耐用年数を算出してみると
Rtot=K(Rzn+Ra)=1.6~2.3(15+50)=96~150年

安全係数を2とすると、厳しい塩害地でも48~75年の耐用年数となる

重防食塗装を施した設備 千葉県内の交通情報板 太くて長い柱から小さなパーツまで。
どんな大きさの部品にも重防食塗装を施すことができます。

重防食塗装を施した設備 塩害地の防食フェンス 海に面しているため、潮風の影響を直接受けています。
そこでH鋼、ワイヤロープ、金網などすべてのパーツに重防食塗装を施しました。
重防食塗装を施した設備 塩害地の鋼管柱 建柱後30年以上経過した鋼管柱
旧来品の重防食塗装でも塩害地においてこれだけの防食効果を継続発揮しています。
30年以上経過しても、塗装面の剥がれや膨れがなく、錆も発生していない


同じエリアに建つ溶融亜鉛メッキのみ鋼管柱と比べてみました。
重防食塗装を施していない一般的鋼管柱では、溶融亜鉛メッキ処理を施していますが、建柱から10年ですでに錆が発生しています。
それに比べて「写真右」の鋼管柱では溶融亜鉛メッキと重防食塗装の密着性が高いことから、建柱後20年以上経過しても、未だに塗装面の剥がれや膨れもなく、錆も発生していません。
■撮影場所:千葉県銚子市


滑り止め加工と防食加工を施した マンホール鉄蓋 鉄蓋の表面には、飽和ポリエステル樹脂の粉体塗料を塗布した上から無機粗粒体を吹き付けることで、雨天時にも強力な滑り止め効果を発揮する加工を。
裏面には、下水から発せられるガスや水分などによる腐食を防ぐために重防食塗装加工を施しました。

強塩害環境における暴露試験



耐複合サイクル防食性試験(A法) 330日 (屋外環境:10年以上相当)



現用の重防食塗装は、旧来品より耐候性、耐酸性、耐アルカリ性、等が向上しています!

促進耐候性と耐薬品性

促進耐候性(色差)


耐薬品性(浸漬温度:23℃)


飽和ポリエステル樹脂塗膜性能


項 目 性 能 試験方法
付着性(対SS材) 7MPa以上 アドヒージョンテスター法
耐摩擦性 48mg JIS K 5600
(摩耗輪法)
耐衝撃性 25kg-cm以上 JIS K 5600
(デュポン衝撃)
硬度 F~H JIS K 5600
(鉛筆硬度)
耐塩水噴霧性 塗膜のフクレ、ハガレ、ワレなし JIS K 5600
(8,640時間)
耐候性 促進試験 塗膜のフクレ、ハガレ、ワレなし JIS B 7753
(10,000時間)
屋外暴露 塗膜のフクレ、ハガレ、ワレなし 三宅島20年間暴露
耐薬品性 硫酸(10%) 塗膜のフクレ、ハガレ、ワレなし 常温×3ヶ月浸漬
苛性ソーダ(5%) 塗膜のフクレ、ハガレ、ワレなし 常温×3ヶ月浸漬

納品の流れ

お客様から発注するパターン

1.お客様側で指定工事会社に工事(入札等)を発注し、工事会社から重防食塗装のみを弊社に依頼する方法。
2.お客様が商品を準備し、重防食塗装のみを弊社に依頼する方法。
3.弊社が鋼管柱等の調達、重防食塗装、建柱並びに取り付けまですべてを請け負って施工する方法。
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